三宅島大学誌

2011〜2013年度にかけて実施した「三宅島大学」プロジェクトをふり返ります。

もう一度

このサイトに最後に投稿したのが2015年の3月なので、あれから、すでに5年半近くになる。その間、時代は平成から令和へ。ストリートビューで訪ねてみたら、あの校舎は、2013年の夏のまま。時間が止まっていた。 春から、新型コロナウイルスのことで落ち着かな…

カメラは見ていた。

画面のなかには、いまでも「三宅島大学」があります。法被姿のあの人と一緒に。ストリートビューという記録。 2013年8月

ピリオド(謝辞)

『三宅島大学誌:「三宅島大学」とは何だったのか」|2015年3月20日発行 無事に『三宅島大学誌』が完成した。書籍であれば、最後にのんびりと「謝辞」を書くのだが、『三宅島大学誌』は「報告書」だ。なにより、当初の予定よりも20ページ増えて、紙幅にも余…

3月9日のクッキー(2014)

◎この文章は、2014年3月10日(月)にFacebookの「ノート」に書いたものです。(一部修正) 海はとても穏やかで、船はほとんど揺れなかった。みんなでデッキに集まって、カズさんにもらったシャンパンを飲みながら、島が遠ざかっていくのを見ていた。日差しが…

「三宅島大学」をふり返る(6)

「三宅島大学」とは何だったのか これまで、ふたつの観点から「三宅島大学」プロジェクトをふり返ってきた。ひとつは、コミュニティや地域の理解を試みる際の方法にかかわる観点である。私たちは、日頃から「問題解決」のためにプロジェクトを構想することが…

「三宅島大学」をふり返る(5)

仲介者・媒介者としての「島外島民」 三宅島には、豊かな「資産」がある。ABCD(Asset-Based Community Development)アプローチでは、地域「資産」をマッピングした上で、それらを「モビライズ(mobilize)する」というプロセスを提唱している*1。つまり、…

「三宅島大学」をふり返る(4)

三宅島の「資産」をマッピングする あらたな「大学」を(実験的に)つくろうというとき、そもそも「大学とは何か」という問いかけが必要になる。「大学」について考えるとき、ギルバート・ライルの『心の概念』の冒頭の一節を思い出す。少し長くなるが、引用…

「三宅島大学」をふり返る(3)

拠点の重要性 『アートプロジェクト:芸術と共創する社会』(2014)の冒頭に、「アートプロジェクトとは」というページがある。たとえば、「制作のプロセスを重視し、積極的に開示」すること、「プロジェクトが実施される場やその社会的状況に応じた活動を行…

「三宅島大学」をふり返る(2)

ニーズ主導から、可能性志向へ 「アートプロジェクト」や「地域活性化」というテーマに取り組む際、少なくとも二つのアプローチを考えることができる。まず、私たちに比較的なじみ深いのは、地域における諸問題を同定し、それに対する解決方法を探るというア…

「三宅島大学」をふり返る(1)

島の誘惑 「島に行きませんか?」というひと言で、プロジェクトが動きはじめた。東京都文化発信プロジェクト(以下文プロ)の森司さんから電話があったとき、どの島なのかを確かめることもなく「はい」と返事をしていた。他の参加者も、同じように「島に行き…

三宅島を知る

「三宅島大学」の開校に向けて リサーチ02|2011年8月6日(土)〜9日(火) いま「三宅島大学誌」プロジェクト(2014年度)の一環として、3年間のふり返りをはじめている。前回の記事(「はじめての三宅島」)のなかで「…17回島に渡った。」と書いたが、その…

はじめての三宅島

3年前をふり返る リサーチ01|2011年6月17日(金)〜22日(水) 2011年6月、「三宅島大学」プロジェクトがはじまった。それから2014年3月まで、ぼくは、17回島に渡った。最初に島に行ってから3年以上経ったいま、こうしてふり返りの文章を書いている。「三宅…

「三宅島大学誌」を考える

概要 2011〜2013年度にかけて実施した「三宅島大学」プロジェクトのふり返りをとおして、地域と人びととの関わり方、場づくりの可能性・限界について考察する。また、このふり返り自体は、プロジェクトの記録・共有の方法のあり方を探究するプロセスとして位…

キッズリサーチ:4日目(たいしょく)

2012年8月21日(火) 生徒がだいぶ増えてきて、よろこびながらも、これ以上増えたら大変だなぁ…などと思いつつ、ラジオ体操で朝がスタート。早朝、加藤研のメンバーがもうひとり合流した(悪夢のため、5時に起きて迎えてあげることができず)。 午前の部 昨…

キッズリサーチ:3日目

2012年8月20日(月) きょうも暑い日になったが、秋は確実に来ている。「キッズリサーチ」は3日目。朝は、まずラジオ体操。それから、みんなで食卓を囲んで朝ご飯を食べて、子どもたちを待つ。これまでのところ、規則正しい毎日だ。 午前の部 人数はわずかだ…

キッズリサーチ:2日目

2012年8月19日(日) たとえば三宅村の小学1年生にとって、「大学生」の存在はどのように映っているのだろうか。おそらく、ほとんどイメージできない「未知の世界」だろう。で も、それでもかまわない。1日目を終えて、そう思った。子供たちの夏休みの風景に…

キッズリサーチ:1日目

2012年8月18日(土) みんなで、三宅島大学のワッペンがついた、お揃いのポロシャツ(スタッフ用)を着た。「キッズリサーチ」の初日。朝にはスコールのような感じで大雨が降ったものの、まもなく晴れて暑くなった。 初日は、やや出足が悪い。聞いたところに…

キッズリサーチ:はじまり

2012年8月17日(金) 今年も、プログラム監修などで「三宅島大学」プロジェクト(http://miyakejima-university.jp/)に関わることになった。昨年度からはじまった、東京都と東京文化発信プロジェクト室と三宅村による共同プロジェクトである。 18日(土)か…